天狗娘は幕末剣士



屯所に帰ると、門の所で総司が出迎えてくれた。




「杏子ちゃん、お帰りー」




「総司!」




たたたっと駆け寄ると、総司は私の頭をポンポンッと撫でてくれた。




「初めての巡察は楽しかった?」




「楽しかっただなんて、そんな……」




殺されかけましたよ、私は。




総司の質問に脱力する。




「あれ、楽しくなかったの?」




「京の街を沢山見て歩けたのは楽しかったけど……」




「けど?」




「……不逞浪士に、斬られそうになった」




ボソッと言うと、総司が少し目を見開いた。




「あらら。

 それはびっくりしたね」




「おい、遠野」




総司と話をしていると、斎藤さんが割って入ってきた。




「なぜ、まだここにいる」




「へ?えっと……」




「ちょっと、斎藤くん。

 僕が先に杏子ちゃんと話してたんだよ?

 横取りしないでくれる?」




むうっと頬を膨らませる総司。