天狗娘は幕末剣士



藤堂さん、原田さん、永倉さんの3人は、土方さんの言葉を冗談だと思っているらしい。




「こんの3馬鹿が……

 おい杏子、証拠を見せてやれ」




「……あの、拒否という選択はできますか?」




「認めん」




「ええー……」




土方さんに拒否というのが通じないのは分かっていたけど……




やるしかないのか。




私は、気を集中させて、バッと翼を出した。




すると、ピタリと3人の笑い声が止まった。




同時に、私の翼を初めて見た人は全員、驚いた顔をしていた。




「まじかよ……」




搾り出すようにして、藤堂さんが声を発する。




他の人は、そのまま固まっている。




「見ての通り、私は天狗です。

 この姿になれば、空も飛べるし、風も操れる。

 そんな……もののけです」




「へえー、すごいな」




「え?」




すごい?




そう言ったのは、藤堂さんだった。