天狗娘は幕末剣士



「杏子は小太刀を使える。

 まるっきり足手まといにはならねえはずだ」




「トシの言う通り、杏子くんの剣の腕は俺も保証しよう」




「杏子くんの剣の腕が立つのは、私も知っていますが……」




チラッと山南さんが私を見る。




それから、淡々と話を始めた。




「女性を入隊させるということは、少なからず危険を伴うと思います。

 屯所内で女性がいるということが知れれば、風紀が乱れる原因にもなるでしょうし……」



すると、一瞬シンッ……と部屋が静まり返った。




「ちょ、ちょっと待ってくれ、山南さん!」




沈黙の後、藤堂さんがあわてて口を挟む。




「女性って……まさか、ここにいるコイツのことか……?」




藤堂さんは、山南さんに顔を向けたまま私を指差す。




「ええ、そうですよ」




「杏子ちゃんはれっきとした女の子だよ、平助。

 新選組に入隊したら、唯一の女隊士ってことになるね」




再びシンッと静まりかえる部屋。




そして、次の瞬間……




「えええーー?!」




藤堂さんの声が部屋に響いた。




「へえー、お前女だったのか」




すると、1人の男の人が私をジロジロと見てくる。




筋肉質で、がっしりした体つきの人だなあ……




っていうか、ちょっと見すぎじゃない?




なんか、嫌だな……