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いつの日か、お梅さんがこんな事を言っていた。
『例え死んでしまうとしても、私はずっとあの人について行く。
絶対に離したりしないんだから』
それは、お梅さんが愛する人に言った言葉。
その言葉の意味が、今は分かるような気がする。
これから先、どんなに悲しい事が起こるとしても、私はあの人の隣にいたい。
例え死んでしまうとしても、私はずっと斎藤さんと共にいたい。
だけど、とにかく今は……
「……斎藤さん」
「なんだ」
「生きていてくれて、ありがとうございます」
今日も命があった事に感謝して、私達はこの世を生きていく。
動乱の、この時代を……