天狗娘は幕末剣士



──────────


「斎藤さん、失礼しますね」




私は、中にいる斎藤さんに一声掛けて、自室に入った。




すると、彼は布団から体を起こし、窓の外を眺めていた。




「お体の調子はどうですか?」




「あぁ、もうだいぶ楽になった」




「そうですか、良かった」




斎藤さんは、窓の外を見てポツリと言った。




「1年、か」




「え?」




「お前と出会ってから、1年程経っただろう」




あ……




そうか、そういえば、もう1年経つんだ。




なんだか、あっという間だったなぁ……




「……杏子、こっちに来い」





斎藤さんに小さく手招きをされ、私は彼の横に座った。