「杏子!」




「平助くん……」




倒れていた私の横に、平助くんが駆け寄ってきてくれた。





「うわっ!傷だらけじゃねぇか!!」




そう言って、平助くんは私を抱き起こし、傷の手当てをしてくれた。




「傷の数が多いな……

 悪いけど、全部は手当てできねぇぞ」




「うん、ありがとう……」




「まったく。

 一くんは目が覚めるなり飛び出して行っちまうし、杏子は傷だらけだし……

 帰ったら間違いなく会議になるぞ、これは」




「えへへ、そうかもね……」




ふにゃっと笑うと、つられて平助くんも困ったように笑っていた。