天狗娘は幕末剣士



「っ!」




突然止まった風に、白竜さんは目を見開いた。




「……お前っ……!」




「私は、人間がそんなに悪い人達だとは思えません。

 もちろん、悲しいけど良い人達ばかりだとも言えません。

 でも……」




だけど、私は知っている。




「幼い頃、私のお世話をしてくれたのは、紛れもなく人間の人達です。

 そして、その人達は、決して私を蔑むようなことはしませんでした」




私を、私として受け入れてくれた。




もののけだから、と傷つけるようなことはしなかった。




「あなた達は、人間を誤解している。

 人は、あなた達が思っているより、ずっとずっと暖かいものよ」




きっと、天狗の一族も、そのことに気付いたんだ。




だから、他のもののけにも分かってもらえるように、働きかけたんだ。




人と争って傷つくことはない。




もっとお互い分かりあえるはずだからって。




「共に生きられないなんて、そんなことない」




だって……









「今、ここにいる私が、何よりの証拠だから!!」









私がそう叫ぶと……