天狗娘は幕末剣士



「その…杏子は、今どこに……?」




そう聞くと、平助はハハッと笑った。




「一くん、目が覚めるなり杏子のことばっかりだな」




「っそんなことは……」




「はいはい、杏子なら、一人で外に行ったみたいだよ。

 門限までには帰るんじゃない?」




「そうか……」




1人で、町に……




と、そこで俺はハッと気付いた。




「平助っ!!」




ガバッと勢いよく起き上がると、平助は目を丸くして驚いた。




「うわっ!びっくりしたー……

 って、一くん!まだ寝てなきゃ駄目だって!」




「何日経った」




「え?」




「池田屋から何日経った?!」




「え?えーと……2日、かな」




「っ!!」




それを聞いた途端、俺は布団から抜け出した。




平助が何か言っているが、今はそれどころではない。




杏子は……あいつは、1人で町に行ったのではない。




1人で、白竜の元に向かったんだ……!