天狗娘は幕末剣士



「私は大丈夫です、だけど斎藤さんが!」




ぐったりと私に凭れかかる斎藤さんを見て、土方さんは目を見開いた。




「斎藤?!斬られたのか?!」




「は……はっ……ひじ、かたさ……」




荒い呼吸を繰り返す斎藤さん。




「土方さん!どうしよう、斎藤さんが……!!」




「落ち着け杏子!」




土方さんの声に、思わずビクッと体を震わせた。




「斎藤は生きてるだろ!大丈夫だ、絶対に死なせねえ。

 だから、お前がうろたえるな」




「!」




土方さんが力強くそう言うと……




会津の軍勢の太鼓が聞こえてきた。




「この音……」




「俺達は勝ったんだ。

 倒幕派の企みを、阻止したんだよ」




勝った……




やりましたよ、斎藤さん。




新選組が、勝ちましたよ。




私は、斎藤さんを抱きしめた。




「とにかく、斎藤を運ぶぞ。

 手伝え、全員生きて帰るんだ」




「はい!」