天狗娘は幕末剣士



(斎藤Side)




「くそっ、始まっちまったか……」




俺の隣を走る土方さんが、眉間にしわを寄せて、そう呟いた。




池田屋の中からは、既に刀のぶつかり合う音と、悲鳴が聞こえてきている。




それから、血の匂いも、ここまで届いている……




「原田、お前は裏口を抑えろ」




「おう、分かった」




「斎藤と他の奴らは、中に加勢しに行け」




「「了解!」」




土方さんの指示で、池田屋に着くなり、俺達はそれぞれ動き出した。




池田屋に入ると、既に何人もの浪士が倒れていた。




「斎藤くん!」




「っ近藤さん!」




俺を見つけた近藤さんは、すぐにこちらへ駆けてきた。




近藤さんの白い羽織、局長だけが着ることを許された隊服は、返り血で赤く染まっていた。




「よく来てくれた。

 他の者は?」