「俺も行く」
「えっ?!」
驚くべき言葉を斎藤さんは口にした。
「だ、駄目ですよ!
斎藤さんを巻き込むわけにはいきません!」
「もう決めたことだ」
「だけど……」
すると、斎藤さんはとても真剣な顔でこう言った。
「杏子、前に俺が、守れるはずの命を目の前で失いたくない、と言ったのを覚えているか」
「え、はい」
確か、あれは私がまだ新選組に入隊して、すぐの頃。
秋の夜、私が顔に傷を作って、斎藤さんにお願いした日。
私を、信じてほしいと、お願いした日……
「俺は、お前に死んでほしくない。
守れるはずの……いや、守りたい者の命を、失いたくないんだ」
「斎藤さん……」
「お前は、きっとまた無茶をするだろう。
だから、1人で行かせたくないんだ。
もし、お前に何かあったら、俺は……」