天狗娘は幕末剣士


私はキッと白竜さんを睨んだ。




「……力も使えないくせに、口だけは達者だな」




「なっ……」




嘘、どうして分かったの?!




私が目をパチパチさせていると、白竜さんはゆっくりと、私達に近づいてきた。




それと同時に、私と斎藤さんも後ずさる。




ピタッと足を止めた白竜さんは、表情を変えずに、こう言った。




「迷いができて、力が使えなくなったか」




「迷い?」




私が聞き返すと、白竜さんはこう答えた。




「お前、風狸の時のような力の暴走を恐れているだろう」




「え……」




「力を使って、人を斬るのが怖くなった。

 違うか?」




「それは……」




否定できなかった。




もしかしたら、私は心のどこかで力を使うのを恐れていたのかもしれない。




また、理性を失って、誰かを殺してしまうかもしれないと思ったから……




「もののけの力は、使い主の心に大きく左右される。

 迷いが出来て、力が使えなくなるということが、まれにあるのだ」




そうだったんだ……