天狗娘は幕末剣士



私は少し体を離して、斎藤さんの目を真っ直ぐに見つめた。




「皆のところに……斎藤さんのところに」




大好きな、あなたにのいる所に……




「杏子……」




ニコッと笑って見せると、斎藤さんも優しく笑ってくれた。




そして、なぜか頬も少しだけ赤く染まっていた。




2人で微笑みあっていると、突然部屋の障子が開いた。




そこに立っていたのは……




「久しぶりだな、遠野杏子」




「っ!!」




この声は……




「白竜、さん……!」




すると、斎藤さんが私を庇うように立ち上がった。




「何をしに来た、白竜」




「決まっているだろう、その娘を殺しに来た」




そう言って、白竜さんは私を見た。




私は、彼から目を逸らさずに、立ち上がった。




「私は、死にません。

 帰ってください!」