天狗娘は幕末剣士



「っ!」




びっくりして、少しだけ体が固まる。




だけど、嫌な気持ちはしなかった。




「お前が居ない間、本当に心配したんだぞ」




「すみません……」




すると、私を抱きしめる腕の力が少し強くなった。




「本当に、無事でよかった」




「斎藤さん……」




彼の腕の中が温かくて、心がじんわりと温かくなった。




斎藤さん、本当は私もう帰ってこれないかと思ってました。




だけど、あなたの言葉が、私を止めてくれたんです。




斎藤さんの声が、私を屯所に帰らせてくれたんです。




「斎藤さん、実は敵と戦ってる時に、あなたの声が聞こえたんです」




「声が、か?」




「はい、『どんなことがあっても、お前の帰りを必ず待っている』って。

 だから、必ず帰らなきゃって、思ったんです」