天狗娘は幕末剣士



彼の顔を見てみると、眉を下げとても悲しそうな顔をしていた。




「……お前が帰って来た時、俺はお前を探しに行こうとしていた」




「え?」




「巡察で敵を斬った後、お前の姿が見えないことに気付いた」




「あ……!」




そうだ、私斎藤さんに何も言わずに行っちゃったから……




心配、させてしまったな……




「俺はてっきり、屯所に戻ったのだと思っていた。

 だが、いざ帰ってきてみれば、お前は戻っていなくて……」




そう言った斎藤さんの声は、とても悲しそうだった。




「頭が真っ白になった。

 また、白竜やもののけに連れて行かれたのではないか、他の不逞浪士に別の場所で斬られているのではないかと思った。

 ……情けない話だが、俺はお前の姿が見えないと、こんなにもうろたえてしまうんだ」




「斎藤さん……」




「だが、今はとても落ち着いている」




「え?」




優しく笑った彼は、私に手を伸ばしギュッと抱きしめた。