……あぁ、そうだった。
私には、帰らなくちゃいけない場所があるんだ。
だから、必ず生きて、帰らなくちゃ。
私の事を、待ってくれてる人達がいるから…
「ボーッとしてんじゃねぇよ!」
「っ!」
1人の男の人が、私に向かって斬りかかってくる。
私はそれを、スッとかわした。
……屯所に、帰らなきゃ。
小太刀を握りしめ、私は出口へと向かった。
「逃がすかぁ!」
そう叫びながら、男の人達は私を追ってきた。
「はっ……っは……」
走れ、走れ!
勝たなくていい、大切なのは私が見たものを、皆に伝えることだ。
どんな形でもいい、生きて屯所に帰るんだ!
「このやろう!」
1人の男の人が、私の腕を掴んだ。
そして、すぐさま私に刀を向けた。
「死ね!」
3人が一斉に斬りかかってきた。
私はそれらを、小太刀で受けたり避けたりするも、かわしきれず、あちこちに切り傷を作ってしまった。
「っく……」
私の着物が赤く染まっていく。
傷口がズキズキ痛んだけど、ここで止まるわけにはいかない!
私は思い切り男の人の腕を振り解いて、升屋を出た。
その後は、後ろを振り返らず、ただただ屯所へと走った。


