天狗娘は幕末剣士



そう言って、私は皆から少し離れた。




「新撰組……覚悟ぉ!」




敵の誰かがそう叫び、すぐにその場は斬り合いとなった。




刀のぶつかり合う音が鳴り響く。




次々と敵を切り倒していく斎藤さん達を、私は遠くで見つめていた。




「……ん?」




ふと、どこからか視線を感じて、私は周りを見渡した。




なんだろ……どこから……?




ぐるりと見渡してみると、細い路地裏から、2人組の男の人が顔を出していた。




何……?




彼らは私の方をチラッと見た後、すぐに斎藤さん達の方へ視線を移した。




そして、斎藤さん達を見ながら、何か話しているようだった。




「なんか……怪しい……」




ポツッと呟くと同時に、彼らは路地裏に消えた。




「あっ……!」




どうしよう、逃げられちゃう!




斎藤さん達は気付いてないみたいだし……




……ここは、私が行くしかない。




そう思い、私は彼らのあとを追って、走り出した。