天狗娘は幕末剣士



「……斎藤さん、私、天狗の力が使えなくなっちゃったみたいなんです……」




「天狗の力が、か?」




「はい……」




ちょっぴり下を向きながら告げると、斎藤さんは私の頭にポンッと手を置いた。




「大丈夫だ、いずれまた使えるようになる。

 あまり気に病むな」




「斎藤さん……」




「しかし、体の方に何か影響は無いのか?

 どこかおかしい所は無いのか?」




「それは、大丈夫です」




「そうか、それなら良かった」




そう言って、斎藤さんは微笑みながら、私の頭を優しく撫でてくれた。




「っ……」




「どうした?顔が赤いが……

 熱でもあるのか?

 やはり、どこかおかしな所が……」




「っだ、大丈夫ですっ!」




私は慌てて斎藤さんから離れた。




い、言えない。




斎藤さんの優しい表情にドキッとしたなんて、言えないよ……




『大丈夫、多分斎藤くんも本気だよ』




総司があんな事言うから……




もう、変に意識しちゃうじゃんかー!!




「しかし、困ったな。

 今夜は巡察の当番なのだが……お前は休むか?」




「いえ、行きます!

 土方さんにも行くように言われているので」




「そうか、だが無理はするなよ」




「はい」