天狗娘は幕末剣士



「……まあ、なんとかなるだろ」




「え?」



そう言って、土方さんはガシガシと頭をかいた。




「原因は分かんねえから、今は様子を見るしかねえが……

 天狗じゃなくなった訳じゃねえんだ。

 また使えるようになるだろ」




「土方さん……」





もしかして、励ましてくれたの?




鬼の副長、なんて言われてるけど、やっぱりこの人は優しいんだ。




「でも、仕事はどうすんだよ土方さん。

 今の杏子じゃ刀を使って斬り合うような仕事は危ねぇだろ」




「自分の身くらいは守れるだろ。

 斎藤に稽古つけてもらってんだろ、杏子は」




土方さんが言うと、平助くんは納得したみたいだった。




「だが、確かに積極的に危険な仕事をさせるわけにはいかねぇな」




すると、土方さんは腕を組んで考え込んでしまった。




「……しばらくは監察の仕事は休め、杏子。

 その代わり、何もさせねぇってわけにはいかえねから、3番組の巡察には必ずついて行け。

 いいな」




「分かりました」




「山崎には、俺からも言っておくが、後でお前からも事情を説明しておけ」




「はい」