再び屯所に戻ってきた私は、部屋で近藤さん、土方さん、斎藤さん、総司の4人に囲まれていた。
「で、なんでまた戻ってきてんだよ、杏子」
「僕が連れてきたんですよ、土方さん」
「総司が?」
「……杏子ちゃん、京に薬を買いに来たっていうのは嘘だよね」
珍しく真面目な顔と声で、総司は私に問いかけた。
私は小さく頷く。
「ねえ、京に来たのはなんで?本当の理由を教えてよ」
……もう、話すしかないか……
観念して、私は口を開いた。
「総司の言う通り、薬を買いに来たっていうのは嘘です」
「やっぱりね」
総司が呟く。
「私が京に来た本当の理由は……もののけから逃げるためです」
「もののけから?」
近藤さんが不思議そうに首を傾げる。
そこに、すぐさま斎藤さんが質問を投げ掛ける。
「お前が天狗だからか?」