斎藤さんと同室になってから、上手くやっていけるか不安もあったものの、特に何があるわけでもなく、時間は過ぎていった。
2人とも、いつもの様に忙しく仕事をこなす日々が続いている。
「やぁぁぁっ!」
そして、今は空いた時間を使って、平助くんに剣の稽古をつけてもらっていた。
「もっとしっかり打ち込んで来い!杏子!」
「はい!」
私はグッと腰を落として、剣を構え直した。
よし、今度こそ1本取ってみせる!
そう思って、勢いよく打ち込みに行こうとした瞬間……
「あっ……」
カクンッと膝の力が抜けて、私はズシャアッと派手に転んだ。
「いったた……」
「うわぁ!
大丈夫かよ、杏子!」
慌てて平助くんが駆け寄って来てくれた。