天狗娘は幕末剣士



それは……確かに初めは気にいらなかったが……




今は……




俺が黙っていると、土方さんはフッと微笑みながら、こう言ってきた。




「斎藤、お前、杏子のこと好きなんだろ?」




「っ!」




「どうなんだ?」




「……そのようなことは……」




「嘘つけ。

 杏子が落ち込んでる時、1番気にしてたのはお前だろ」




「……」




「いい加減認めろよ。

 惚れてんだろ、あいつに」




土方さんに言われても、俺は何も言えなかった。




正直、こんな気持ちは初めてだったから、俺自身も戸惑っていた。




だが、この気持ちが“好きになる”というものだと言うのなら……




俺は、杏子が好きなんだろう。




1人の、女として……