「以上が、巡察の報告です」




「そうか、ご苦労だった」




昼の巡察が終わり、俺は土方さんの部屋に報告をしに来ていた。




「では、失礼します」




「あ、おい、ちょっと待て、斎藤」




立ち上がろうとする俺を、土方さんは呼び止めた。




まだ仕事の話があるのだろうか。




「……お前、杏子の事どう思ってんだ?」




「え……」




何故か楽しげに笑いながら、そう尋ねてきた土方さん。




「憎からず思っていますが……なぜ、そのようなことを?」




「いや、初めはあんなに杏子の面倒見るのを嫌がってたじゃねえか」




「それはっ……」




「なのに、今じゃ杏子を離そうとしねえからよ。

 そうとう気にいってんだなと思ってよ」




「っ!」