天狗娘は幕末剣士



「や、やめてよ……」




「大丈夫、たぶん斎藤くんも本気だよ」




そう言いながら総司はさらに距離を詰めてくる。




「っち、近いよ、総司!」




「ねえ、杏子ちゃん、君は僕のこと好き?

 1人の男として……」




まっすぐ見つめてくる総司の瞳に、吸い込まれそうになる。




「っわ、私は……」




思わず、総司から目を反らした。




「そ、総司のことは好きだよ。

 だけど、それは仲間としてっていうか……

 友達みたいっていうか、お兄さんみたいだなって思ってるから……」




だから、その……と口篭っていると、総司は少し寂しそうな顔をして、私から離れた。




「そっか、残念だなあ」




「……ごめん」




「謝らないでよ。

 ……だけど、僕諦めないから」




「っ……」