天狗娘は幕末剣士



「斎藤さん、もう1つだけ聞いてもいいですか?」




「なんだ」




「……私、ここに帰ってきていいんですよね?」




新選組のみんながいる、ここに。




あなたのいる、この場所に……。




私が斎藤さんの返事を待っていると、彼は私の手をギュッと握った。




「えっ……」




「杏子」




「はっ、はい!」




「ちょっとついて来てくれるか」




「え?」




言うが否や、斎藤さんは私の手を引いて、屯所の中へ歩いて行った。




斎藤さんは広間の前まで来ると、足を止めた。




「あまり良くないと思うが……聞いてみろ」




そう言って、斎藤さんは障子を指差した。




そっと障子に耳を当ててみると、中から聞こえてきたのは、幹部の皆の話し声だった。