天狗娘は幕末剣士



「早く副長の所に行け、お前を呼んでいたぞ。

 ……ん?誰だ、その娘は」




「ああ、この子?」




すると、総司は私をクイッと前に出した。




「斎藤くん、この子の事本当に分からないの?」




「……記憶に無いが」




ええー……




そんなあ、斎藤さん……




私が少しヘコんでいると、総司がプハっと吹き出した。




「やだなあ斎藤くん、本当に分からないの?」




首を傾げる斎藤さん。




その姿を見て、私は肩を落としながらこう言った。




「私です、斎藤さん……」




そう言うと、斎藤さんはハッとした顔になった。




「杏子、なのか……?」




「そうですよ……」




私がしょぼんとしながら答えると、珍しく斎藤さんがわたわたし始めた。