天狗娘は幕末剣士



「ぐああああっ!」




叫び声を上げて、そのまま風狸はグッタリと動かなくなった。




「っいやああー!!」




「1度殺すと決めたら、必ず殺す。

 それがもののけだ。

 そして……お前もそのもののけだ」




「っち、違うっ……」




白竜が風狸の胸から小太刀を引き抜くと、その小太刀は杏子の手からスルリと抜け落ち、地面に落ちた。




「何が違うというんだ。

 現にお前は、風狸を殺しただろう」




「ちがうっ……ちがうっ……!!」




両手で頭を抱え、首を横に振る杏子。




「安心しろ、お前はもののけだ。

 さっきまであった背中の翼が、何よりの証拠だろう」




「っ!!」




「違う!杏子、お前はそいつらとは違うんだ!!」




そう叫ぶも、彼女の耳には届いていないようだった。




肩で息をしている杏子。




何度も何度も、荒い呼吸を繰り返す。