天狗娘は幕末剣士



そして、目の前に倒れている風狸を見て、ハッとした顔になった。




「もしかして……これ、私が……?」




カタカタと杏子の手が震え始める。




それと同時に、彼女の翼が消えた。




「ご、ごめんなさい!!

 私、なんてことを……は、早く手当てをしなきゃ……!」




杏子が小太刀を仕舞おうとすると、その手を誰かがパシッと掴んだ。




「何をしている」




「っ白竜さん……!!」




「早く殺せ」




「そんなっ……そんなこと出来ません!!」




「……そうか」




すると白竜は、そのまま杏子の手を掴み、小太刀を再び風狸に向けた。




「ならば、俺が手伝ってやろう」




「え……」




そう言って、白竜は杏子の手を掴んだまま、小太刀を風狸の胸に突き立てた。