天狗娘は幕末剣士



それから、挨拶もそこそこに私は新選組の屯所を後にした。




「はあ……」




彼らに助けを求めるために、ここまで来たのに……




結局、何も言えず嘘までついて出てきてしまった。




なにやってんだろ、私。




だけど、よく考えたら、私の事情に、関係ない彼らを巻き込んじゃ駄目だよね……




「……これから、どうしよう」




とぼとぼと京の街を歩いていると、後ろから肩を叩かれた。




振り返ると、そこには総司と斎藤さんが立っていた。




「2人とも、どうして……」




「杏子ちゃん、京の街は始めてでしょ?」




「え?」




「道に迷わないよう、俺達が薬屋まで案内しよう。

 薬屋の名前を教えてくれ」




「あ、えと……」




斎藤に尋ねられ、私は言葉が詰まってしまった。




どうしよう、今更、嘘だなんて言えないし……




「どうしたの、杏子ちゃん。
 
 薬屋の名前忘れちゃった?」




「えっと……」




「見つけたぞ、遠野杏子」