彼らは、ゆっくりと私達に近付いてきた。
すると、今までよく見えなかった姿と数がはっきりしてきた。
「平助……あいつらは不逞浪士ではない」
「え?」
「あいつらは、もののけだ」
「「えぇっ?!」」
私と平助くんは同時に声を上げ、同時に彼らを見た。
確かに、よく見ると、彼らにはしっぽが生えていた。
「これ、全部もののけかよ……」
「えらく大勢集まったな。
全て、杏子狙いか?」
そうだった。
忘れていたけど、私はもののけから追われてる身。
ここにいる全員が、私の命を狙っていてもおかしくない……
斎藤さんが刀を抜くのと同時に、1匹のもののけが前に出てきた。
「遠野杏子を渡せ」
「っ!」
やっぱり、私狙い……


