天狗娘は幕末剣士



「へ、平助くんあんまり落ち込まないで?

 今度、時間があったらちゃんと着て見せるから」




「ホント?!」




「うん、ホント」




「よし、約束だからな!」




私が頷くと、平助くんは嬉しそうに笑った。




「それにしても、今日は随分静かですね」




「ああ、人の気配がしない」




斉藤さんの言う通り、今夜の町は静まり返っていた。




まるで、誰も居ないみたい……




なんだか、嫌な感じだな。




そう思った直後、あちこちの路地から何人もの人が出てきた。




「不逞浪士か?!」




平助くんが素早く刀を抜いて身構える。




それに続いて、他の隊士さん達も刀を抜いた。




暗くて正確な数は分からないけど、こんなに大勢なのは初めてだった。




「不逞浪士が……こんなに……」