天狗娘は幕末剣士



部屋で改めて隊服を広げてみると、それは確かに忍装束みたいだった。




紺色の生地に、紫の刺繍が控えめに施されている。




かわいい忍装束だなあ。




着替え終わると、私はその場でくるっと回ってみた。




「確かに、こっちの方が動きやすいかも」



私も任される仕事が増えてきたし、これでもっと頑張れそう!




姿見で自分の姿を見てみると、自然と顔が綻んだ。




ああー、早く皆に見せたいなあ……




「……斎藤さんにも、見てもらいたいなぁ……」




って、私また斎藤さんの事考えてる。




ここ最近、ずっとそう。




一日中、ずっと斎藤さん事を考えちゃうこともあるし……




その度に、胸がドキドキして、苦しくなる。




どうしちゃったんだろう、私……




「……斎藤さん、似合ってるって言ってくれるかな……」




すると、障子の外から声を掛けられた。




「杏子ちゃーん、入ってもいいー?」




その声は総司のものだった。