芹沢さん暗殺から数日――――
私達はようやく新しい生活に慣れてきていた。
局長は近藤さん1人となり、山南さんは総長となった。
色々なことが変わって、皆毎日忙しく働いていた。
そんなある日、私は土方さんに呼び出された。
「土方さん、杏子です。
入ってもいいですか?」
「おう、入れ」
障子を開けると、そこには土方さんと山崎さんがいた。
「あれ、山崎さん、どうしてここに……」
「なに、ちょっと君に渡したい物があってね」
「え、私に、ですか?」
山崎さんに座るように促され、私は2人の前に腰を降ろした。
すると、彼は土方さんに目配せをした。
土方さんは頷くと、私に向かってこう言った。
「まだ、お前に隊服を渡してなかったと思ってな。
遅くなっちまったが、受け取ってくれるか?」