天狗娘は幕末剣士



するとスッと障子が開き、お盆に湯飲みを2つ乗せた斎藤さんが入ってきた。




「冷えただろ、飲め」




そう言って、湯飲みを1つ私に差し出してくれた。




中には、温かそうなお茶が入っている。




「ありがとうございます」




熱いお茶を一口飲むと、じんわりと体の内側が暖かくなった。




斎藤さんも、私の前に腰を降ろして、湯飲みに口をつけた。




彼の方にも、同じお茶が入っているみたい。




私達は、黙ってお茶をすすった。




「……今頃、土方さん達は芹沢さんを粛清しているんでしょうか」




「おそらくな」




「私、粛清って、もっと騒がしくなると思ってました」




だけど、今は雨音以外、何も聞こえない……




「どうだろうな。

 この雨だ、俺達に聞こえないだけで、向こうでは騒がしくなっているかもしれないぞ」




そう言って、斉藤さんはまた湯飲みに口をつけた。