天狗娘は幕末剣士



「杏子くん、俺はこのまま原田さん達の所に行く。

 副長への伝達は任せたぞ」




「分かりました」




山崎さんと分かれた後、私は真っ直ぐに土方さんの元に向かった。




「副長、いらっしゃいますか」




庭から土方さんの部屋に呼びかけると、すぐに障子が開いた。




「どうした」




土方さんの前で跪きながら、私は伝達を口にした。




「芹沢局長の部屋の明かりが消えました」




「そうか、伝達ご苦労だった」




「はい……」




そう言うと、土方さんはすぐに部屋に入ってしまった。




伝達は驚く程速く、淡々と終わってしまった。




しばらくその場に立ち尽くしていた私も、自分の部屋に向かって歩き始めた。




自室に戻り、濡れた体を拭き、着替えを済ませ髪を拭いていると、障子の外から声を掛けられた。




「杏子、いるか」




それは、斎藤さんの声だった。




「斎藤さんですか?どうぞ」