天狗娘は幕末剣士



やがて、部屋の明かりが消え、中から2人の話し声が消えた。




「……眠ったのでしょうか」




「それはどうか分からないが、とにかく報告しに行こう。

 行くぞ」




私達はそっと立ち上がり、土方さん達の所へ向かった。




物音を立てないよう走っている最中、私の頭に昼間のお梅さんの言葉が木霊していた。




『私は、あの人に一生ついていくって決めたの』




あの時、お梅さんはとても幸せそうに笑っていた。




その笑顔を、私は守りたかった。




『たとえ死んでしまうとしても、私はずっとついていく

 絶対に離したりなんかしないんだから』




死をも受け入れる覚悟のある彼女。




本当に心から芹沢さんを慕っているのが分かった。




どんなことがあっても、何を言われても、お梅さんは自分の気持ちに嘘をついていない。




だからこそ、あそこまでの覚悟が出来たんだろうな……




「自分の気持ちに嘘をつかない、か……」




「ん?何か言ったか?杏子くん」




「いえ、なんでもありません」




自分の気持ちに嘘をつかず、素直になること。




それが、人を愛するってことなのかな……