天狗娘は幕末剣士


だけど、今夜お梅さんを屯所に行かせるわけにもいかない。




どうすればいいの……?




私が悶々としていると、プハッと吹き出す様な笑い声が聞こえてきた。




顔を上げると、お梅さんが口元を抑えて可愛らしく笑っていた。




今度は、私がキョトンとする番だった。




「ごめんなさい、少し意地悪を言ってしまいましたね」




「え?」




「あなた、新選組のお侍さんでしょ?

 だったら、言えないこともあるわよね」




「……」




私は何も言えなくなってしまった。




「……もしかして、芹沢さんの事かしら」




「!?」




そう言ったお梅さんの目は、どこか哀しそうだった。




それから、彼女は小首を傾げた。




「当たり、かしら」




ああ、ここまで来たら、もう仕方ない。




私は覚悟を決めて、お梅さんを真っ直ぐ見た。