季節はすぎ、4月。


あの日から私と悠雅は口をきいていない。


正確には、悠雅を一方的に無視している。


相変わらず秋吉先輩は悠雅にべったりだし、


やっぱり、私と悠雅の世界は違うんだって思い知らされた。


そしてあの日から、屋上には一度も行ってない。


悠雅との出来事を思い出してしまいそうだから………


「大丈夫か?」


あの日から悠雅の変わりに、幸司が毎日わざわざ送り迎えをしてくれている。


「……ん。大丈夫、ありがとう」


私はできるだけ心を読まれないように、笑顔を作って返事をした


そしてそのまま歩き続けていると、前に人影が見えた