「ありがとうございます」
私の後に悠雅にティーカップを渡すと、悠雅はティーカップに口を付けて一口飲んだ。
その姿が様になりすぎてて、私はこの高そうなティーカップにさえ負けそうになって口を付けるのをやめた。
「……音亜、俺な学校で噂されてるけど、誰にも言ってないことがあるんだ。今日ここに連れてきたのはそれを俺の口からお前に話して知ってもらいたかったから」
向かいに座る悠雅の真っ直ぐな視線から目をそらせない。
「俺の家庭は、そこそこ気づいてるかもだけど……普通じゃない」
悠雅はそのまま言葉を続けた。
「俺の親、……櫂堂 道重ってんだ」
櫂堂 道重(カイドウ ミチシゲ)
……えっ、聞いた事ある。
「五十嵐は母親の旧姓で、本当は櫂堂 悠雅が俺の本当の名前。櫂堂って聞いたことある?」



