新しい制服に身を包み
鏡の前でくるりと回る。
制服を綺麗にまとったのを見て
つい笑顔になった。

私の名前、美波冴侑。
今日から埼玉の中学校に通う

中学2年生。

父 美波洋一が務めている
銀行本店から埼玉の支店へ移り、
1から埼玉でやり直すことになった。
お父さんも前よりは休みが増えるって
言ってたから、
たくさん、家族で出かけられそう。

美波家にはもう1人家族がいる。
私の兄 美波祥輝(よしき)
高校2年生でお兄ちゃんも
埼玉の高校に通うことになった。

「冴侑ー。朝ごはんよ、早く降りてきなさい。」
「はぁーい。」

今のは私の母 美波陽子の声だ。
お母さんの作る三食はとても
美味しくて結婚したら
お母さんみたいになりたいと思ってる。