叱るわけでもなく、責め立てるわけでもなくイジメをなくした檜山。
その姿はさながら魔法使いのようだった。

檜山が実習を終えて帰る日の放課後、昌平は職員室の檜山の元を訪ねた。

「どうした?昌平?」

「あの…実は…」

元々、活発な方ではなかった昌平は、檜山を目の前にして急に緊張してしまった。

憧れの人物を目の前にしての緊張というより、檜山から溢れ出るオーラのようなものに気圧されていた。