「…わかるけど」

「なら、言うなよ」

梓の顔が引き攣る。

やっぱり、来なければ良かった。

「そんなに元気なら、心配しなきゃ良かった」

梓はムカつきながら部屋の外に向かおうとしたら、部屋に制服姿の女の子が入ってきて。

『桜ヶ丘高校のだ…』

梓が行きたいと思っている学校で、祥太郎の兄、拓海も通う学校だ。

「大丈夫?」

モデルみたいな体型の高校生は梓にひょこっと頭を下げて祥太郎に近寄る。

「真由ちゃん、もう最悪!」

今までの態度と全然違う祥太郎を梓は睨む。

「あ…ごめん、お邪魔だった?」

その高校生、平野 真由は祥太郎と梓を交互に見た。

「違うよ!」

「違います!!」



二人は同時に叫んでいた。