それは、まだ、兄貴が小6、俺が小5、叶人が小2のとき


叶人が熱を出して学校を休んだ日のことだった




俺は兄貴より先に家についた

「叶人、大丈夫?」

「うーん、明日、熱下がんなかったら、病院行くって、お母さんが」

「そうなんだ……下がるといいな」

「うん……じゃあ、寝るね、おやすみ」

「うん、おやすみ」

そういって俺は電気を消して、自分の部屋で宿題をしていた






暫くすると

「ただいま~」

と兄貴が帰ってきた


そこで、母ちゃんが

「晴人~ちょっとお父さんに届け物してくれない?」

と、兄貴に頼んだ


ちなみに、俺の親は両方医者をしている


「えっ、俺、友達と遊びに行くんだけど」


「でも、今叶人のこと目を離せないのよ、ね?お願い」

「えー、それなら、拓人に頼めばいいじゃん」

「拓人今、宿題してるでしょ」


そこで俺は、ドリルを閉じて、母ちゃんのところへ行った

「俺行くよ」

「え、だって拓人宿題してたんでしょ」

「大丈夫だよ」

「そう?じゃあ、お願いするわ」