「ねぇ、俺ってそんなに重症なの?」


「あ~うん、大分...拓人が寝てる間にレントゲン撮ったんだけどさ、かなり重い肺炎なんだよね...なかなか意識戻んなかったし、ってことで、しばらく
入院な、拓人」

「はっ?聞いてねえし」

「今言っただろ、早く治れば1週間位だよ」

「はっ?1週間も入院すんの?」

「当たり前だろ、肺炎だぜ?お前も医者なんだから分かるだろ?肺炎なめてるとヤバいって」

「そりゃあ分かるけどさ、仕事あるし俺...」

「たったの1週間だろ?それに主治医俺がやってやるから」

「はっ?1週間もだろ、そんで、何でお前が主治医なんだよ」

悠が主治医と言うことは、回診や診察、検査など全ての入院生活での事を悠にやってもらうということだ...

「いいじゃん、別に、俺も拓人の体調知っておきたいし」

「だって、別に悠じゃなくてもいいじゃん」

「じゃあ、今拓人に長峰先生に診察受けてこいって言ったら診察受けんの」

長峰 翔大 (ナガミネ ショウタ)は俺たちの2つ上の先輩で、よくお世話になっている

「それは無理だけどさ...」

「だろ?かといって陽菜ちゃんとか澤田には頼めないだろ」

「.....」

「だから、俺が引き受けたの」

悠が主治医ということは、悠のさりげない優しさなのかもしれない...