今日もいつも通り。



大地に風が吹き、木は育ち、



花が咲いている。



海を魚が泳ぎ、藻類が揺れ、



波がたっている。




「 ねー、この花きれー 」



「 そうだな。野花にしては 」




あなたがいるから、いつも通りのあたしでいられる。



あたしがいるから、いつも通りにあなたは笑える。



いつも通りって、



「 普通 」でいられるって、



とても凄いことだと思う。




「 ねえ君、あたし達の家へおいでよ 」




真っ黒になった爪。



手のひらにちょこんと乗るのは、



根を張った土ごと掘り起こされた、小さな紫色の花。



その名は、スミレ。



花言葉は、




ーーー「 素直に綺麗って思えることってすごく良いことだと思わない? 」




小さな幸せ。