……た、ただの言い訳なんだ、そうだ。


何をこんなに俺は………バカか。



んなわけ無いだろ、この俺が。



菜美ちゃんみたいな、普通の子に……。





なんて思ってたら、菜美ちゃんが声かけてきた。



あれ、初めてじゃない?


菜美ちゃんから話しかけてくれたのって……



あ、そうだ怒ってるんだった!



とりあえず怒ってるような声で菜美ちゃんを見た。



………あれ?なんか……。



暗いっていうか……悲しそうな顔してる。


何があったんだろ……。



………さらに面白いじゃん。


ほんっと期待を裏切んないんだから。




と、思ったら笑い声が漏れてしまった。



それに、許してしまった。


もっと楽しみたかったけど、いいか。



いっつも菜美ちゃんは俺を、


『木戸さん』


って呼ぶから、


『木戸先輩』


って呼んで、なんて。からかってみた。



そしたら本気にしちゃって。



そして、同じ部活で。



しかも同じ日の掃除当番で。






なにこれ、嫌だった掃除が楽しみになったんだけど……!