ま。とりあえず、菜美ちゃんの口を塞いだ。
「ねぇ、この町の言い伝え知ってる?」
多分、この町で知らない人はいない。
で、信じてるか聞いてみると、もがいた。
え、何で真っ赤にならないの?!
普通は……真っ赤にならないの?!
……よーし、じゃあ……吸血してみるか…。
ふっと、菜美ちゃんの首に顔を寄せた。
お、慌ててんじゃん。
いい反応。
ま、これじゃ普通だ。
顔が近くてギリギリの感覚で瞳を見つめてみた。
……おいおい?
恥ずかしそうに目……逸らしたりしないの?
なんで無表情で、じっと見つめてくんの?
……こっちが目、逸らしたいんだけど…。
って!こっちが考えてどうする!!
手っ取り早く、菜美ちゃんがどんな子か知りたいから~……
「俺、バンパイアだから。」
菜美ちゃんの首筋から、吸血しようとした。
……とき。
「はぁぁぁぁぁぁ?!」
大声を出して、家へ戻ってしまった。
え?!
こっちが、はぁぁぁぁぁぁ?!
って感じだよ!!!
あー、もう!!!
何なのこの子……あ、菜美ちゃんって。
やばい、面白いんだけど。