満月の夜は、ご注意ください。





なんだか、やる気が出ない。


仲良くなれたって思ったら……こうなって…




はぁ、これが本当に近い関係なんだか……。



「菜美ちゃん、顔死んでるよ?」



「んなっ、失礼なっ!」



「本当の事だよー?」



後ろから私の両方のほっぺをつねって笑っている木戸先輩……。


顔死んでるって……オイ……。



「その方が失礼ですからね?」


「あー、ごめんごめん。」


「ぼ、棒読みじゃないですか!」


「まぁ、とりあえず帰ろっかー」



ニッコリと笑顔を見せて、私の腕を掴み歩いていく。



「大狼君いないじゃないですか!」



そう言って木戸先輩の手をほどく。



「声かけたけど、忙しいってさ~……」


「……そうですか…。でも、私2人じゃ…。」


「なんで?やっぱり嫌いなの?」



また寂しそうな表情を浮かべてる。


なんで?



「ていうか、2人で帰るなんて、私の高校生活が危ないんですよ?!」


「高校生活?」


「そうですよ!ファンクラブに目つけられるんですからね?!」


「……そっかぁ、大変だねー?」



必死な私とは真逆に、きょとんとした表情で私を見てくる。



「ていうか!木戸先輩だってファンクラブあるんですから!」 



「えっ、あるの?!怖っ…」

 

「あと実梨のもあります!!」



「花井さんはあるよね!ありそうだし!」



「ですよねっ!実梨の良さを知ってる人達が作ったんですかねっ!」


 
実梨の話ができるなんて……嬉しすぎる!



「そうだね」



「で、2人だと帰らないので!どうぞお先に!」


「え、一緒に帰ろうよ!」



「だからっ、ファンクラブに……っ」



「あ、じゃあさ、晃太のファンクラブに目つけられたの?」