満月の夜は、ご注意ください。




「菜美ちゃんって、透君と仲良いよね!」


「えっ、そ、そんな事無いですよ!」



ひょっこりと出てきたのは海崎先輩。


心なしか、ニヤニヤしてるような気が……。




「なんかさー、透君って菜美ちゃんに懐いてるよねっ!」



「あはは……そうですか?」



「そうだよー、透君が懐くなんて珍しいんだからっ!」



「そうなんですか?色んな人に懐いてそうですけど……」



年上の女の子には尻尾ふってついて行きそう。



「逆だよー?女の子が懐いてるもん!」



あ、木戸先輩の場合は特殊なんだった。



「多分、ご近所サンだからですよ~」



「えっ?!ご近所サンなの?!」


海崎先輩は驚きを隠せていない。


多分、みんな驚く……とは思う。



「同じアパートなんで……」

 

「えっ、すごいねっ!私も園田君とご近所サンになりたい……っ!」



「海崎先輩と園田先輩はラブラブですもんね~!」


本当にラブラブで、2人に憧れる子もいるぐらい。


それに、見てるこっちが恥ずかしいくらいのやりとり。



「そんなことないよ~っ」


嬉しさを隠しきれずに海崎先輩は満面の笑みを浮かべてる。



ふいに顔を上げてみると、視界の端っこに大狼君が映った。


心臓は音をたてる。


練習してる時はいつもと変わらない様子のはずなのに…


シュートが決まれば大喜びしてる。


パスをミスしたら残念そうで。



ひとりで表情コロコロ変えてさ……。



こっちなんか、1回も見ないし。




私、何したんだろ……。