「…えぇ？！」
いきなり？！
声が裏返る……。
「半端な気持ちじゃ……無い？」
そんな私を気にしないで話してる。
「半端……？」
「大狼のファンクラブに目つけられるとヤバいとかって話……知ってる？」
「あぁ……少し……。」
今現在が、その状態だからね……？
「それ、半端な気持ちで大狼に近づいた奴らが居たからなんだよね、少し前に…。」
「そ…その人達は…どうなったんですか？」
なんか、嫌な予感しかしない。
「学校来なくなった」
「何したんですか…？」
「まぁ、色々と？やってきた奴らの方がヒドかったけどね…。」
きっと言えないほどヒドかったんだ……。
「えっ……何してきたんですか？」
「早い話がストーカー。大狼の関係とか全部調べたり。」
「ストーカー…？」
「他には、大狼と付き合ってるってウワサを自分で流したり。」
「さ、最低じゃないですか！」
半端……というよりは、熱狂的…？
「そうだね…。それから、大狼の事を守ろうとした女子達がファンクラブ作って……」
「守ろうと……。」
前は守るためだったのに、今じゃエスカレートしてる…。
「……それが、大狼の事を追い込んだ事もあったんだよね……。」
「え……？」
大狼君を……追い込んだ…？
「やっぱ何でもない！忘れて？」
「……あ…はい……」
「で、好きなんだ？」
全く怖い雰囲気が無くなって、明るく話してくる。
「………っていうか！あなた誰ですか？！」
「あ、俺？鈴木！大狼の友達！」
鈴木……。
普通の名字だな……。
「話逸れたね！で、好き？」
「…そんなの、初対面の人に言うわけ…っ」
「聞いてんの。好きなの？」
なんとなく声が低くなる。
笑顔のはずだけど、ちょっと怖い。
あぁ、もう！
「………好き……！」
「そんなに真っ赤になるほど？！」
ニヤニヤしてる……鈴木。
「ま、真っ赤なんかじゃ…っ」
「半端じゃなくて良かった！みんなに大丈夫って言っとくから、安心して？」
「じゃあ…っ、嫌がらせされないですか？」
「うんうん、じゃあ帰りな？」
「……あっ、は、はい！ありがとうございました！」
よかった……。
嫌がらせ解放……っ！
カバンを持って出ようとした時…、
「菜美っ！」
汗だくで、息を切らしてる人。
「……大狼君…？！」
